目次
はじめに
カモネギ。初代から不遇の名を欲しいままにし、不動の地位を築き上げたポケモン。
そんな言葉から始まるカモネギの単体考察記事も、気付けば2年以上前の記事になっていました。早いですね。その2年の歳月を経て、カモネギを取り巻く環境は微妙に変わりました。
6世代のトリプルバトルにおいて、長ネギの強化(カモネギの強化ではない)の影響で誕生したツボギミックや新遺伝技のシンプルビームを使ったギミックなど、カモネギはギミック要員として強い印象をプレイヤーの間に残していきました。(なんか葬式で読み上げる別れの言葉みたいになってきたな・・・。)
そんな「カモネギ=ギミック」という印象がプレイヤーの中に根付きつつあるからこそ、あえてカモネギで挑戦したい戦法があります。
カモネギの基本スペック
特に変わってないので昔の記事から引用します
種族値
52-65-55-58-62-60
XYの種族値変更は特になし。
意地A252ブレバでH振りのみのローブシンに71.6%~84.9%のダメージが入る程度の攻撃と、陽気ガブの不一致岩雪崩で落ちる程度の耐久を持っている。
特性
鋭い目・・・命中down無効、回避UP無視
精神力・・・怯まない
負けん気・・・能力downで攻撃UP。威嚇を食らった後に発動すると、なんとウォーグルと同程度の攻撃力を得ることが出来る。
特性は意外と良いものが揃っています。特に精神力はダブルトリプルで重宝されるでしょう。みんな特性知らずにねこだまし撃ってくるし。負けん気も良特性ですが、発動してウォーグルと同じ攻撃力なら初めからウォーグル使えば良い話である。
攻撃技 | |
ブレイブバード | ローブシン確2程度。襷持ちの場合は退場技として使える |
はたきおとす | 相手の持ち物を落としつつそこそこのダメージ |
アクロバット | ジュエル消滅and仕様変更により大幅な弱体化をしたが そもそもジュエルなんて持ってる暇のなかったカモネギには関係のない話である |
フェイント | 守るワイガ等の解除 |
リーフブレード | 特化リフブレで特化ヌオーに57~69%のダメージが入る!! |
リベンジ | 反撃時、バンギラスが低乱数で落ちる。襷で耐えれば可能だが次の瞬間砂で落ちる。カモネギが。 |
ブレバを撃つ仮想敵にローブシンがいるあたりに5世代の名残を感じますね。
鉢巻カモネギ単体考察
こういうスペックを持ってるのがカモネギというポケモン。弱い。カモネギとして生まれてこなくて本当に良かった。
鉢巻カモネギの運用は最遅でトリル下のエース的な運用を目指していきたい。
後述するがトリル下での飛行打点というのはなかなかレアなのだ。
なので勇敢HA@鉢巻という前提でここからは考察を進めていきたい。なぜ鉢巻なのかも後述で。
火力の話
鉢巻を持たせる、という話ではあるがこのポケモン、元の攻撃種族値が65しかない。
これを性格補正込みの実数値で計算するとA128となる。無振りドードリオの攻撃よりちょっと低いぐらいの高さ。
正直高くはない。っていうかニンフィアと攻撃力一緒なのかよ。
だがちょっと待って欲しい。あの最強クラスの鳥ポケモンであるファイアローの陽気AS時の攻撃力は81+52で133になる。
勇敢カモネギの攻撃力が128、陽気アローの攻撃力が133。その差はわずか「5」。身長が5cm変われば大問題だがA実値が5違うぐらいならまあ大丈夫だ。
このことからカモネギは実戦で通用しうる、十分な攻撃力を持ってるということがわかると思う。
そしてカモネギというポケモン、なんと特性で威嚇を無効化するばかりか威嚇によって攻撃が上昇する。
実数値にしてA192相当までの上昇が見込めるのだが、これは意地ウォーグルとほぼ同じ数値であり、陽気鉢巻ファイアローに比肩しうるほどの大火力だ。
陽気アローの鉢巻ブレイブバードがどれほど強力なのかはもはや言う必要はないだろう。そして驚くなかれ、これはまだ持ち物を持っていない状態の火力なのだ。
早い話、負けん気が発動した鉢巻カモネギは陽気鉢巻アローにさらにもう一つ鉢巻を持たせた状態と同じ火力を出すことが出来るのである。
負けん気がなくても鉢巻を巻いているのでアロー@鉢巻と同じ火力が出せることも付け加えておく。
まとめ:大体アローと同じぐらいだしイケる気がする
素早さの話
カモネギはS60である。カモネギとニンフィアはAもSも全く同じという衝撃の事実が今ここに露わになってしまった。
そのS60という数値、これはなかなか曲者で、追い風で使ってもトリパで使っても良い万能な素早さなのだ。
ニンフやガルド、S61だがバンギなど、ここらのSラインのポケモンが様々な構築に組み込まれるのはこれが要因の一つだろう。
そして追い風で使ってもトリパで使っても良い、というのは裏を返せばどちらで使っても中途半端とも言える。種族値があまり高くないカモネギにとってはこの中途半端であるというデメリットの方が大きいかもしれない。
さて、ここで少し視点をズラして飛行タイプ全体、特に強力な飛行打点を持つポケモンたちの話をしたい。
速い飛行タイプというのは沢山いる。山ほどいる。しかし遅い飛行タイプというのは以外にも少ないのだ。そしてその遅い飛行タイプのほとんどは進化前や虫複合。強力な飛行打点(というかブレバ)を持っていることはほとんどない。
そこそこの遅さを持っていて、なおかつそこそこの攻撃力を有しているポケモンはほとんどいないということがわかると思う。
まとめ:トリル下でブレイブバードを撃ちたい場合、最適なのはカモネギなのかもしれない
耐久の話
カモネギの耐久は52-55-62。
H252振りをしても実数値は159-75-82。なんかちょうど良い感じに16n-1になっているのでお得感はあるが、やはり低い。
一応霊獣ランドロスの岩雪崩や、ギルガルドの素ラスターカノンはギリギリ耐えることが出来るので本当に最低限の耐久は備えている。
考えようによってはカモネギが早く落ちることで次のエースをすぐ繰り出せるのでまあ悪くはないかもしれない(なんだそれ)
まとめ:鴨肉は柔らかくて美味い
現実の話
ここまで読んでカモネギ強いんじゃね?ってなってる人(いるのか?)は詐欺にあう可能性が高いので気をつけて欲しい。
カモネギをトリル下で使う場合、少ないとは言えど同じようなことが出来るポケモンが何匹か存在しているため、それらのポケモンたちとの差別化をしっかりと考えなくてはならない。
~カモネギの強力なライバルたち~
スペック比較
名前 | H | A | B | C | D | S | 特性 |
カモネギ | 52 | 65 | 55 | 58 | 62 | 60 | 負けん気 |
ワシボン | 70 | 83 | 50 | 37 | 50 | 60 | はりきり |
ウォーグル | 100 | 123 | 75 | 57 | 75 | 80 | 負けん気 |
ファイアロー | 78 | 81 | 71 | 74 | 69 | 126 | 疾風の翼 |
バルチャイ | 70 | 55 | 75 | 45 | 65 | 60 | 防塵 |
ムックル | 40 | 55 | 30 | 30 | 30 | 60 | 捨て身 |
ブレバ火力ランキング(記述なければ全員勇敢A252振り前提)
被威嚇ウォーグル(A288)=被威嚇鉢巻カモネギ(A288)>はりきりワシボン(A222)>被威嚇カモネギ(A192)>被威嚇ワシボン(A148)>素ファイアロー(A146)>捨て身ムックル(A140)>陽気ファイアロー(A133)>カモネギ(A128)>バルチャイ(A117)
遅さランキング
ファイアロー(S無限)<パワーワシボン(S29)<パワーウォーグル(S38)<カモネギムックルバルチャイワシボン(S58)<ウォーグル(S76)
記事タイトルをパワーウエイトワシボン考察に変更した方が良い気がしてきたな…
それぞれの特徴を詳しく見ると
ワシボン・・・はりきりによる超パワー。持ち物も自由が利くのでパワー持たせるもよし鉢巻でさらに火力を上げるのも良し、輝石を持たせるもよしの万能型。しかし技の命中がどれも8割という弱点が大きすぎる。
ウォーグル・・・安定した能力。威嚇も効かないし持ち物も自由。技もフリフォに馬鹿力岩雪崩と良い物が揃っている。弱点は少し速い事ぐらい。
ファイアロー・・・特性で速い。トリルをしてもしなくても強い。技もフレドラで鋼を燃やせるし横取りや追い風でサポートまで出来る。ただ威嚇だけはどうにも辛い。ファスガや雪崩にも極めて弱い。
バルチャイ・・・火力面は普通に弱いのだが、胞子が効かないというトリルアタッカーにとってかなりの強みとなる防塵を持っている。ブレバで狙い撃ちたいのがキノコである以上これは本当に重要。耐久も高いし技も色々あるのだがいかんせん火力がなさすぎる。
ムックル・・・可愛い。捨て身で意外と火力が出る。オウム返しとかがむしゃらで遊べる。可愛い。
そしてこいつらと比較した時のカモネギの特徴は
・威嚇に強い
・割と遅い
・叩き落す、フェイントで独特な動きが出来る
・ギリギリ雪崩は耐えられる
・相手にサポート要員だろうと油断させられる
となる。一番最後のは数値上の強みではないが、実戦において意表を突くというのは馬鹿に出来ない要素であり、これだけカモネギ=ギミックのイメージが強い中で隙を突いて鉢巻で殴れるのは十分な差別化要素と言えるだろう。
あとはこの強みを最大限生かした構築を組むことが出来ればおけおけおっけーですね。
構築
構築までの道
トリパでなおかつ負けん気が生かせる構築かあ。クチートトリパかバンギ入りトリパかなあ。
↓
バンドリにカモネギ入れたら威嚇対策とか地震透かせるとかで良い感じなんじゃね?
↓
トリル要員は猫だましが効かなくて浮いてるやつか・・・ム、ムウマ!?
↓
キノコとカポで補完して完成!
個別
バンギラス
メガ | バンギラス | 特性 | すなおこし |
性格 | 勇敢 | 持ち物 | バンギラスナイト |
レベル | 50 | 岩雪崩 | 噛み砕く |
性別 | ♀ | 冷凍パンチ | 守る |
努力値HA
またカモネギと組まされることになった合計種族値700(カモネギは352)のメガシンカポケモン。
技は雪崩と噛み砕く、守るが確定で、あと1枠に何を入れるか悩んだのだが、いくら何でもランドロス対策をカモネギ一匹に任せるのは怖すぎたので冷凍パンチを入れた。
威嚇がきついと思いきや素の攻撃力が高すぎて1回威嚇を食らった程度じゃ対して問題ではない。
さらに耐久も高すぎるので
バレルで怒りの粉してカポのインファ吸おうとしたらムーブで端に行かれてく、くそー!メガバンギがインファイトを食らってしまうううううう!!!って感じだったんだけど普通にバンギがインファ耐えて勝った(耐久がキモい)
— ざわ (@zalwa13) 2016年4月16日
みたいなことが起こったりした。
ドリュウズ
ドリュウズ | 特性 | すなかき | |
性格 | 意地っ張り | 持ち物 | いのちのたま |
レベル | 50 | 地震 | 岩雪崩 |
性別 | ♀ | アイアンヘッド | 守る |
努力値 AS
普通にドリュウズ。実は地震もちドリュウズを使うのはめちゃくちゃ久しぶりだったりする。
雨クチ(ニョロルンパゴチルクチートクレッフィ@1)の特性で速くなるポケモン+トリル要員という組み合わせが面白いと思っていたので砂でもやってみた。
トリルが出来なくてもエースが動けるというのは強力だった半面、トリルを展開したけどドリュウズが場にいて困ったということもあったので立ち回りが難しかった。
カモネギ
カモネギ | 特性 | 負けん気 | |
性格 | 勇敢 | 持ち物 | 拘りハチマキ |
レベル | 50 | ブレイブバード | 叩き落とす |
性別 | ♂ | かたき討ち | フェイント |
努力値HA
というわけで今回の主役。マー。
技についてだがブレバ叩きフェイントは確定で考えていて、あと1枠を非情に悩んでお試しでかたき討ちを入れたのだがこれが大正解。
負けん気さえ発動してしまえば大体のポケモンはワンパン。負けん気が発動していなくともかたき討ち(140)で耐久にあまり割いていないニンフィアぐらいなら一撃で倒せる。
そしてブレバのような反動がないためその後も何度もかたき討ちを連発して1試合に2体3体と持っていく事件も珍しくなかった。いやほんとに。その姿を見た人は復讐鴨(アベンマー)と呼び恐れをなすのである(?)
叩き落とすでガルドを倒すことも何度もあったしブレバで対角から相手を削ったり(倒せなかった)と正直舐めてたけど意外と強かった。
特に意表を突く、というのが本当に成功していて、かなりの確率でカモネギに挑発が飛んできた。楽しい。
一方でやはり耐久の低さには泣かされることが多かった。素の耐久が高ければちょっとした急所ぐらいならケア出来るのだけど、カモネギのギリギリな耐久だと急所一つで一気に行動が終わってしまい、そのまま流れを掴めないということが多かった。
また例え威嚇で負けん気が発動してもその時点でトリルが出来ていなければ普通に上から殴られて死ぬので負けん気要員なのに初手に出しづらいというどうにもならない欠点も存在していた。
そして何よりトリル下飛行打点エースという存在なのにモロバレルより速いため下から眠らされるのが本当にどうしようもなくて涙が止まらなかった。
活躍する時と活躍しない時の差が激しすぎたので安定はしなかったが、バンドリ自体が強かったので上手くカバーして戦えば意外とイケるな、という印象であった。
あとは金縛りを食らったカモネギが悪あがきをパンパカ撃ってたらなんか相手を倒しちゃって滅びに間に合って勝利するとかいう事件が起きたりしたのが面白かった。わるあがきが3.4%だからたぶん合計でカモネギは33体の相手を倒したんだと思う。
カポエラー
カポエラー | 特性 | 威嚇 | |
性格 | 勇敢 | 持ち物 | ラムの実 |
レベル | 50 | インファイト | フェイント |
性別 | ♂ | 猫だまし | ワイドガード |
努力値 HA
かつての便利屋カポエラー。PGLを見るとわかるけどたぶん今カポエラーくんバンドリでしか使われてないと思います。
普通のカポエラーだが勇敢最遅なのでトリル下で相手のニンフィアの上を取ったりして楽しかった。別に最遅である必要は薄い気もするがまあ、ボックス見たらいたので・・・。
モロバレル
モロバレル | 特性 | 再生力 | |
性格 | のんき | 持ち物 | ゴツゴツメット |
レベル | 50 | ギガドレイン | 茸の胞子 |
性別 | ♀ | 怒りの粉 | 守る |
努力値 HB
バンドリに必須とされるモロバレル君。この構築ではトリル展開サポート、トリル時の胞子撒き役、対格闘の粉要員、水タイプへの打点持ち、アローに食べてもらってダメージを与える、など様々な役割を担っている。
バンギ、バレル、カモネギが場に並ぶと大きさが違い過ぎる関係なのかなんかやたらとカモネギが左に寄ってる。なんなんだこれ。
ムウマ
ムウマ | 特性 | 浮遊 | |
性格 | 穏やか | 持ち物 | 進化の輝石 |
レベル | 50 | シャドーボール | 鬼火 |
性別 | ♀ | 挑発 | トリックルーム |
努力値HD
ムウマ。カモネギと組む場合はムウマー。
浮いているトリル要員でなおかつ猫だましが効かないポケモンを探したらこの子が該当した。
進化前だがC85とブルンゲルと同じ数値を持っており、輝石の関係でガルドの珠シャドボも余裕で耐えられる。
鬼火が非常に強力でガルーラやランドロスなどの火力を下げるだけでなく砂ダメと合わせたダメージソースとしても優秀だった。
中速トリパなので挑発で相手のガチトリパを防いだり、バレルに打ち込んでトリル下の邪魔をさせないようにするなど縦横無尽の活躍だったと思う。
戦績
というわけで戦績タイム。
開始レートは1558。到達レートは1760。
うむ。
意外と結構強かった。
スタンやギミックパに非常に強く、晴れやカメックスにも弱くなかったためよくわからないままあっというまに1700台まで到達出来た。1550ぐらいで終わりましたひょろろろ~んみたいな終わり方になると思って読んできた人には申し訳ない←?
そこから上がったり下がったりをしていたのでどうにか1800に乗せたかったのだが結局1750~1760あたりで負けてそこから上にはいくことが出来なかった。1760は当時の順位にして20~30位ぐらいの位置だったのであと1戦2戦勝つことが出来れば・・・と非常に残念。
とはいえカモネギ入りでしっかり構築として戦えていたので鉢巻カモネギ構築を作りたいという目的はある程度達成できたのかなとは思う。
反省点
とにかくモロバレルが重かった。負けた試合の大部分は相手のバレルのせいといっても過言ではないかもしれない。
そしてそのモロバレルが入っている構築であるバンドリにこの構築は勝てないというのがレートを上げきれなかった一番の原因だと思う。
特にこちらがバンドリカモネギで相手がバンドリウォーグルというゲームを2回して2回とも負けてるので、やはりカモネギよりもウォーグルが強いのだなという結論が生まれてしまったのは残念。リベンジしたかった。
というか結局パワーウエイトウォーグルの方が良かったのではという気持ちがぬぐいきれないけどまあ気のせいだろう。
改善点としてはバレルにヘド爆を搭載してバレルとニンフを殴れるようにする、だとかムウマをゲンガーにしてフェアリー耐性とフェアリーへの打点を作る、とかですかね。
まあなんにせよ、自分がこれまでに組んだカモネギ入り構築の中では一番強かった、というかカモネギ入りの構築でレートが上がったのが初めてだったので普通に嬉しかったです。
これで「ざわさん最近カモネギのネギ(ジェス)ばっかり使っててカモの方使ってない」とか言われないぜ!(フラージェスはネギではない)
あと全然関係ないですけどこの春休みに京都の鴨川付近で鴨そば食べたんですけど美味しかったです。
ミ・3・ミ<ではまた次回